人と仕事People & Work
電気の仕事/弱電
安全運行の要となる信号設備を守る
電気部 信号区
西澤 尚也
Personal
Data
- 所属部署
- 電気部 信号区
- 入社年
- 2015年
- 出身学科
- 情報通信工学科 卒
- 出身地
- 東京都
- クラブ活動・スポーツ歴
- 中学では野球部、高校ではバレーボール部に所属
- 趣味・余暇の過ごし方
- 温泉巡り、ドライブ、水泳
- 私の性格
- せっかち
- 好きなこと
- 食べること
- 苦手なこと
- 細かい作業
- 保有する資格
- 第1級陸上特殊無線技士、第2級海上特殊無線技士
- 好きな言葉
- 「やればできる」
Career Path
-
2015年4月
入社
-
2015年7月
電気部
通信課 -
2015年10月
電気部
新丸子電力区(電路担当) -
2016年10月
電気部
二子玉川信通区(信号担当) -
2019年7月
電気部
信号区
入社理由
人の生活を支える鉄道を守る
高校の卒業式の日、東日本大震災に遭遇しました。学校から自宅までは電車で1時間程度の道のりでしたが、首都圏の鉄道はほとんどがストップしており、やむなく自宅まで3時間ほどかけて歩いて帰宅しました。それまで、当たり前のように毎日利用していた電車。私たちの生活は、「鉄道に支えられている」ことを実感する出来事でした。その時から、人々の生活を支えている鉄道に関わる仕事をしたいと強く思うようになりました。動いていて当たり前ですが、ないと生活が成り立たない。その鉄道を支える仕事にやりがいを見出しました。震災の経験から、特に、災害に強い鉄道を作っていきたいと思い、鉄道会社を志望しました。
就職活動では、関東にいくつかある鉄道会社の中で、たまたま中学1年の時に、社会科見学で訪ねていたことから東急電鉄に興味を持ちました。調べてみると、東急新横浜線の開業を控えていること、沿線に豊かな街が広がる魅力的な沿線であることなどがわかり、入社を決意しました。
仕事内容
さまざまな信号設備のメンテナンスと故障時の緊急対応
信号設備は、鉄道を構成する重要な設備で、列車の安全運行には欠かせません。私は、信号区において、保守担当として信号設備のメンテナンスおよび故障時の緊急対応をしています。鉄道の信号設備にはさまざまな設備があります。代表的なものに列車の衝突を未然に防ぐATC(自動列車制御装置 : Automatic Train Control)、踏切事故を回避するための踏切警報器や遮断器などの踏切保安装置、ポイントを動かす転てつ装置などがあります。これらのメンテナンスのほか、国土交通省から義務付けられている法定検査の対応も行っています。
これらの信号設備は仕組みが複雑で、全体を把握していないと対応できません。私は入社してから先輩に、信号の構造やメンテナンスの仕方、さらにマナーも含めて指導していただきました。3年目からは自分で対応できるようになり、現在は、後輩社員への指導も行っています。
仕事のやりがい
トラブル復旧で感謝された時、仕事の大きな役割を実感
機械に故障は付きものですが、信号設備は小さな故障でも列車の安全運行に支障をきたすため、迅速な復旧が求められます。トラブルが起こった際、私たち信号担当が緊急出動しますが、信号の復旧を、駅をはじめ、運行に関連するすべての部署が見守っています。
三軒茶屋駅で、ホームドアが開かなくなるトラブルがあったときのことです。二子玉川から電車で駆け付け、現場をチェックしました。すぐに、ホームドアの非常扉が少し開いていたことが原因であることを突き止め、早期復旧することができました。トラブルでの出動は緊張しますが、そのトラブルを自分の知識や経験で復旧させた時、そして、駅など関係部署から感謝された時は、大きな喜びを感じます。自分たちの仕事が、東急電鉄において、欠かすことのできない大きな役割を担っていることを実感できる瞬間でもあります。
苦労すること
原因究明の難しさ
信号設備の多くは屋外に設置されているため、どうしても気象条件の影響を受けてしまいます。特に最近は、異常気象やゲリラ豪雨、雷などで、想定外の故障が発生することも多くなっています。緊急の時は、復旧のために全力を尽くすことが我々の使命です。機械の修理だけではなく、台風時は、倒木をノコギリで撤去するなど、普段訓練していない事態にもできる限り対応しています。
トラブルの原因はさまざまで、原因がわかりにくいケースも多々あります。原因を追究していく中で、これが原因だろうと決めつけてしまうと、まったく違う結果になることもあるので、先入観を持たずに、広い視野を持って対応に当たらなければならないのが難しいところです。
成長を感じる時
多くの現場を経験し、対応能力が向上
機器の故障発生時、過去の経験から事象を推測して短時間で対応できたときは、自身の成長を感じます。新人時代は、先輩に付いてトラブルに対処することで経験を積みました。2年目になった時、初めて一人で緊急対処で出動した時のことは、はっきりと覚えています。
二子玉川の事務所から、ATCの故障が発報され、私はすぐに一人で出動しました。2系統あるうちの1系統の故障でしたが、無事、予備品と交換することができました。ちょうどラッシュの時間帯で、ミスすると列車を止めてしまう可能性もあり、非常に緊張しましたが、無事にやりきったことで自信がつきました。その後も、多くの現場を経験し、現在ではさまざまなトラブルに対処できるようになっています。経験を生かせるようになることは、自分の技能の向上を感じることができ、とても達成感が味わえます。
今後の目標
進化する信号設備に関わる
今はメンテナンスという立場で、現在ある設備を守っていくというのが私の使命ですが、将来的には設計という立場で、新線敷設などの大規模工事に携わってみたいと思っています。
また、近年では、ATCに代わり、列車と地上設備の間を無線でつなぎ、列車の運行と制御を行うCBTC(Communications-Based Train Control)などの新しい信号保安装置が導入されつつあります。これらの新システムは、従来より安全かつ効率的な列車の運行を実現できるなど、信号設備は鉄道を進化させる多くの可能性を秘めています。私もこれらの新たな設備に関わり、東急電鉄という会社に名前を残すことができればと考えています。
印象に残るエピソード
Episode
落雷による信号故障に少人数で冷静に対応
運行システムに関係する設備は屋内に設置されていますが、信号設備の多くは屋外に設置され、屋内設備とケーブルでつながっています。そのため、落雷にとても弱いという弱点があります。2017年の夏、激しい雷雨と強風で二子玉川の花火大会が中止となった時、東急線も落雷の影響により、3カ所で信号機器の故障が発生しました。
休日だったこともあり、信号担当も限られた人員で対処せざるを得ませんでした。3カ所はそれぞれ別の場所で、少人数ですべての場所に対応することはできません。指揮をとる先輩から、「運行にかかわる設備を最優先して対処しろ」と言われ、優先順位をつけて、順番に対処していきました。順番を考えて一つずつ対処したことで、運行を止めることもなく、想定よりも短時間で復旧することができました。
ある日の私
On Duty
-
05:30
起床。顔を洗い一日が始まる。
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06:00
出勤。通勤時間は1時間程度。移動中はiPadを使用してニュースを確認。
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07:20
出社。始業は8時だが、余裕をもって出社し仕事に備える。
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08:00
始業。朝の体操をして身体をほぐして仕事モードに。
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09:00
作業ミーティング。今日の作業の打合せ。
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09:30
作業現場へ出発。電車や作業車で現場へ向かう。
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10:00
午前中の作業開始。
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12:00
ランチタイム。各駅近くのお気に入りのお店でランチ。
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13:00
午後の作業開始。気合を入れ直して再開する。
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16:00
事務所帰着。本日の検査表をチェックし、夜間作業の準備をする。
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17:00
夜間作業の打合せ。夜間作業の役割を確認し、必要に応じて資料を確認する。
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17:30
昼の勤務終了。夕食と仮眠をとり夜間作業に備える。
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00:00
起床。夜間作業出発の30分前には起床して準備。歯磨きをすると目が覚める。
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01:30
夜間作業開始。初電に影響しないようになるべく短時間で終わらせる。
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05:00
事務所帰着。当夜の検査表のチェック。
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08:00
当日の出番者へ引継ぎ。
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08:30
業務終了。長い一昼夜勤務の終わり。
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10:00
帰宅。ジムで泳いでリフレッシュし次の勤務に備える。
思い出の一枚
Off Time
2019年8月 前の職場の同僚と、京都、大阪旅行に行った時のものです。ウイスキー工場の見学や京都の寺院巡りをして親睦を深めました。前列右端が私です。
私の必携品
Essentials
点検灯
真っ暗な場所で行う夜間作業には、必需品です。細部まで点検するため、点検灯は必ず持ち歩きます。