人と仕事People & Work

土木・建築の仕事/保線

小さな変化も見逃さず、
東急線の安全・安定輸送を根幹から支える

工務部 新丸子保線区

定地 真太郎

Personal
Data

所属部署
工務部 新丸子保線区
入社年
2017年
出身学科
土木工学科 卒
出身地
千葉県
クラブ活動・スポーツ歴
中学・高校では野球部、大学では合気道部に所属
趣味・余暇の過ごし方
沿線の銭湯巡り
私の性格
マイペース
好きなこと
ゴルフ、スノーボード、お酒(ビール)
苦手なもの
保有する資格
技術士補
好きな言葉
「ミスをしない人間は、何もしない人間だけだ」(セオドア・ルーズベルト)

Career Path

  • 2017年4月

    入社

  • 2017年7月

    工務部
    計画課

  • 2017年10月

    工務部
    保線課

  • 2018年5月

    工務部
    新丸子保線区

入社理由

地域社会に貢献する仕事にやりがい

鉄道は小さいころからよく利用しており、とても身近な存在でした。常に当たり前のように動いていると思いがちですが、実は、数多くの鉄道職員の日々の努力により、その安定運行は支えられています。地域の人々の毎日の足となる鉄道を支えるその仕事は、まさに地域社会に貢献する仕事と言えるでしょう。そのような鉄道会社の仕事に魅力を感じ、就職では鉄道会社を軸に活動を進めました。

当社は、私鉄の中でもトップクラスの輸送人員を誇り、多くのお客さまにご利用いただいているため、社会に対する影響力も大きく、スケールの大きい仕事ができると考えました。また、全線全駅へのホームドアを導入するなど、高い意識で、鉄道業界をリードしています。
それだけではなく、東急沿線は駅を中心とした活気あふれる街が育っています。私自身も、便利で、魅力に富んだ当社沿線で暮らしたいと思い、入社を決めました。

仕事内容

工事計画から設計、工程調整まで、幅広い業務を担当

私が所属する新丸子保線区は、東横線・目黒線・東急新横浜線・池上線・東急多摩川線の線路の保守管理を行っています。線路は毎日多くの電車が通過することにより、少しずつ軌道変位が生じたり、レールの摩耗が進みます。このような変化をそのままにしておくと、電車の揺れや騒音など、乗り心地の低下を招くばかりか、安全性に支障をきたす原因となります。私たちは、快適な乗り心地と安全な運行を維持するため、日夜、線路の保守に努めています。

新丸子保線区は、6つに担当が分かれています。まず、徒歩または営業列車に添乗して、線路の異常をチェックする巡視担当。次に、法定検査や会社が定める計画に基づき、各種軌道検査を行う検査担当。線路の不具合に対し、補修計画を立てて工事を発注する設計担当。そして、工事の施工管理を行う工事担当。また、お客さまから寄せられたご意見(列車走行の騒音・振動等)の改善に向けた施策・管理を行うCS・軌道整備担当、保守作業用の動力付き車両モーターカーの管理を行う大型機械担当がいます。

その中で私は、設計担当として、工事計画や設計、協力会社への工事発注業務を主に行っています。施工箇所の優先順位の策定から、現地調査、使用材料の確認、図面の作成、そのほか工事費の積算、工程の調整まで、工事に関する幅広い業務を担当しています。現在は、自ら計画し、発注した工事が少しずつ形になり、乗り心地の向上や安全な運行に貢献していることを実感できるようになりました。
保線業務では、まだまだわからないことも多くあり、今も、文献を読んだり、先輩の経験談を聞くなど勉強の毎日です。勉強は大変ですが、この仕事の奥深さと面白さを感じています。

仕事のやりがい

安全・安定輸送を支える、誇れる仕事

保線の仕事は、いわば裏方の仕事です。線路の点検や夜間の補修工事など、私たちの作業はお客さまからは見えません。お客さまと直接接することはありませんが、お客さまのことを頭に描き、常に安全で快適な乗り心地を維持できるよう、日々、業務を行っています。

線路は列車荷重を受けて、日に日にゆがみが生じます。また鉄でできたレールは、温度により伸び縮みするため、夏と冬で全く別の動きをします。私たちの仕事は、一見、毎日、同じ仕事の繰り返しの地道な仕事に見えますが、このように刻々と微妙に変化する線路に合わせて、点検・補修作業に当たっています。

設計担当である私の仕事は、特に、長期計画や日々の点検結果に基づき、線路線形や使用材料、施工方法、施工時期などを総合的に加味して、現場に応じた適切かつ低コストな補修計画を立てることが重要なポイントとなります。保線区の各担当とコミュニケーションを図りながら、自分が立てた計画に問題がないか、区内の承認を得てから工事を進めています。「揺れない、安定した線路を維持する」ことを目標に、東急線の安全・安定輸送を根幹から支える、人に誇れる仕事だと思います。

苦労すること

関係各部署との事前調整と綿密な計画が必要

保線作業は、他部署との工事計画の調整や協力会社との詳細な打合せが必要となります。たとえば、夜間作業では保線だけではなく、土木工事、建築工事、電気工事等さまざまな工事が行われます。これらの作業とバッティングしないよう、担当部署との事前調整が必要です。また、レールには信号電流が流れているので、分岐器での作業時には、信号担当との調整も必要となります。補修計画を立てる際には、それらの工事に支障が出ないよう、綿密な工程を作成し、その工程通りに進めることが肝要です。

それでも現場では、常に想定外の問題が発生します。たとえば、バラスト(砕石)の下に埋設物が見つかって、計画通りの施工方法が実施できないこともあります。また、夜間作業では、騒音など沿線住民の方への配慮も欠かせません。限られた予算・工期の範囲で、どのような施工方法なら効率よく工事を完遂できるか、先輩や協力会社の担当者とも意見を交換しながら計画を進めています。

成長を感じる時

ついていけなかった専門的な会議での発言

工事計画では、社内の各部署や社外の協力会社との綿密な打合せが必要です。そのような場では、技術的な内容に関する高度な専門用語が飛び交います。入社当初は、専門用語がわからずに苦労しました。特に、月に1回の設計担当を中心とした技術基準ワーキンググループという会議では、新規施工方法や軌道材料の導入について専門的な情報を交換します。

入社1年目から参加していますが、最初はわからないことだらけで、内容を理解できませんでした。会議についていけないことはとてもショックで、危機感さえ覚えました。これではいけないと、会議中にメモをとり、終わってからはわからなかった内容を調べるようにしました。3年目を過ぎた頃から、知識も増え、ようやく会議についていけるようになりました。内容を理解するだけではなく、最近では会議で発言できるようになり、自分自身でも大きな成長を感じています。これからも積極的に会議に参加し、積極的に取り組みたいと考えています。

今後の目標

「この線路は自分が計画した」と言える仕事を

安全安定輸送は、自分一人では実現できません。そのため、保線区の同僚と力を合わせながら、設計担当として、現場に応じた適切な工事計画を立てるなど、自分の担当業務に引き続き真剣に取り組んでいきたいと思っています。
また、その先は、新線の開業に携わるような大規模改良工事を手掛けたいという夢もあります。「この線路は自分が計画したんだ」と、胸を張って言えるような業務をしてみたいです。そのためにも、社内の各部署や社外との調整力をもっと身につけなければいけないと考えています。さらに、保線だけでなく、土木担当の業務にも興味を持っています。保線と土木の両方を経験することで、先輩方が積み上げてきた技術を身につけ、東急電鉄を支える一人前の鉄道技術者になりたいです。

印象に残るエピソード

Episode

原因を突き止め、問題解決をすることが重要

まくらぎ交換工事の計画を担当し、上司に工事内容を報告する中で、軌道変位の進行度合いについて説明しましたが、「なぜこの区間でだけ軌道変位が進行しやすいのか」と聞かれ、答えられないことがありました。後日、軌道変位が進行する原因を、現場に調べに行きました。レールや締結装置、まくらぎ、砕石、あらゆる軌道材料を入念にチェックしました。すると、前回の調査では気付かなかった、レールの摩耗やまくらぎの軽微な損傷を見つけ、それらが原因で軌道変位が進行していることが判明しました。また、その事実を知らずに、ただ漠然と工事計画を立てていた自分に気づきました。

保線の仕事は、ミリ単位の精度が求められる、とても繊細な仕事です。わずかな軌道変位でも放置しておくと、徐々に変位が進行し安全安定輸送を損ないます。軌道の変状原因がわからないと、本当の解決には至りません。そのため、原因を突き止め、解消するのが保線の仕事の使命と言えるでしょう。以来、保線技術者として、ささやかなことでも違和感があることには疑問を持ち、原因を突き止めたうえで、その問題を解決できるように、肝に銘じて仕事をしています。

ある日の私

On Duty

  • 06:30

    起床。朝食にブラックコーヒーとヨーグルトは欠かせない。

  • 07:30

    出勤。通勤時間は30分程度。電車内では洋楽を聞いて気分を盛りあげている。

  • 08:00

    出社後、作業服に着替え。自然とスイッチが入り仕事モードに切り替わる。

  • 08:30

    朝礼。体操をした後、各自の作業予定を確認し、昼間作業の注意事項を周知する。

  • 09:00

    午前中は工事資料作成。CADを使用して工事図面を作成する。三角スケールを使用して寸法や縮尺に誤りがないか確認。自分で確認した後は、先輩にもチェックしてもらう。

  • 12:15

    ランチタイム。最近はパスタ弁当にはまっている。ソースは常に引き出しにストック。

  • 13:00

    午後から現場で調査。現場で使用する道具、持ち物を確認し車で移動する。

  • 13:30

    現場到着後、作業開始。列車間合いでの作業のため、作業しつつも列車の動向に注意を払いながら調査を行う。現場調査は一人ではできないので、先輩に協力してもらうことも度々。

  • 16:00

    帰社。現場調査結果をまとめ、工事計画の資料を作成する。

  • 18:00

    退社。近所のスーパーで晩ごはんの材料を買ってから帰宅。

  • 19:30

    夕食。一人暮らしなので週2日程度は自炊し、食費を減らすようにしている。

  • 21:00

    近所の銭湯へ。自宅から徒歩圏内に銭湯があり、リラックスできる場所。

  • 22:00

    帰宅。スマホの動画配信サービスを利用して見逃していたドラマを鑑賞。

  • 23:30

    就寝。夜勤がない日は早めに寝るようにしている。

思い出の一枚

Off Time

2019年2月 会社の同僚と上越国際スキー場にスノーボードに出かけた時のもの。スノーボードは社会人になってから始めました。右端が私です。

私の必携品

Essentials

チョコレート

頭を使うので、疲れた時はリラックスも兼ねて、糖分を補給するようにしています。時には先輩とお菓子交換大会になることも。コミュニケーションのきっかけにもなるのでおすすめです。

三角スケール

図面の読み取りには欠かせない縮尺定規、三角スケール。図面の寸法、縮尺が正しいか確認するため、常時持ち歩いています。