人と仕事People & Work
車両の仕事/検車
電車の運行に直結する点検・整備
車両部 元住吉検車区
関口 智美
Personal
Data
- 所属部署
- 車両部 元住吉検車区
- 入社年
- 2016年
- 出身学科
- 機械工学科 卒
- 出身地
- 埼玉県
- 学生時代のクラブ活動
- 吹奏楽部
- 趣味・余暇の過ごし方
- 読書(ミステリー小説が好き)
- 私の性格
- 大雑把
- 好きなこと
- 寝ること
- 苦手なこと
- 運動
- 好きな言葉
- 「ありがとう」
Career Path
-
2016年4月
入社
-
2016年7月
運転車両部
長津田整備区 -
2018年11月
運転車両部
元住吉検車区
入社理由
身体を動かす仕事がしたい
就職活動を始めたころ、学校で行われた会社説明会で電車の車両を整備する仕事の存在を知りました。卒業後の自分が、机やパソコンに向かって設計や開発の仕事をしているイメージが湧かなかったこともあり、身体を動かして仕事をする車両整備の仕事に興味を持ちました。
通っていた学校が東急線沿線で親近感があったことや、さまざまな会社と直通運転しているため、自分の整備した車両が東急線だけでなく他社線も走り、多くのお客さまを乗せることになる分、責任も大きいが、やりがいも大きそうだと思い、当社に就職を決めました。
女性が活躍する企業として、育休制度や復職後の育児との両立のための制度が充実していて、働きやすそうだなと思ったことも東急電鉄に決めた理由の一つです。
仕事内容
東横線と目黒線を走る車両の点検と整備
元住吉検車区は東横線と目黒線を走っている車両を対象に、3カ月に一度、車両の各機器の点検を行う「月検査」、10日に一度、車両を外部から点検する「列車検査」、さらには車両故障が起きた際の対応などを行っていて、私は列車検査班に所属しています。
主な仕事は、制輪子(ブレーキシュー)やパンタグラフの摩耗を確認する「列車検査」のほか、車両を車庫に入れる際に不審物やお忘れ物を確認する「入庫検査」、車庫から出す前に走行できる状態になっているか確認する「出庫検査」などです。車庫に入っている電車はパンタグラフを下げて電源が落ちているので、出庫検査ではパンタグラフを上げて車両の電源を入れ、ドアの開閉やブレーキの利き具合を確認します。走行している車両に故障が起きた際には、乗車して対応することもあります。
仕事のやりがい
責任の重大さがやりがい
鉄道車両の定期検査は、国土交通省の省令によって、検査の周期や内容が定められています。元住吉検車区では「月検査」や「列車検査」を行っていますが、私の前職の長津田車両工場(現・車両総合事務所整備区)では、4年に一度の「重要部検査」と、8年に一度の「全般検査」も行っています。月検査は1日で完了しますが、重要部検査や全般検査は長期間かかります。
どの検査も極めて重要で、検車区の仕事は、電車の運行に直結しています。私たちが点検・整備でミスをすれば、お客さまの安全を脅かしてしまうことになるため、責任は重大です。しかし、その「お客さまの安全を守っている」という点に、この仕事のやりがいを感じています。
苦労すること
重い部品交換や専門用語に慣れるまで大変
私はあまり体力がなく、重い部品を運ぶのに苦労しています。パンタグラフの架線と接触する部分やブレーキの制輪子は摩耗すると交換しなければなりませんが、どちらも金属で重いものです。最近は慣れて体力もついたのか、わりと楽に運べるようになりましたが、以前は途中で休みながら運んでいました。
車両工場から異動してきた当初は、先輩の言っている用語がわからず戸惑いました。例えば、絶縁測定を専門用語で「メガ測定」と呼びます。最初はその言葉の意味も測定の仕方もわからず、一から教えてもらいました。
打音で異常の有無を調べる点検ハンマーも初めて使ったときは、まともにたたくことができず、先輩にあきれられました。現在は分からないことやできないことは減りましたが、まだまだ完璧ではありません。新造車両の点検・整備など、覚えることがたくさんあります。
成長を感じる時
自分一人で検査をミスなくやり遂げたとき
自分自身の成長を感じるのは、これまで先輩に聞きながら行っていた仕事を一人でミスなくやり遂げたときや、行動が早くなって作業時間が以前よりも短くなったときです。
当社の車両部門では、新入社員や異動してきた社員には、先輩が3カ月ほどマンツーマンで付いて指導する「ブラザー制度」を採用しています。私が元住吉検車区に来た際、指導してくれた先輩は入社8年目で、仕事を熟知している人でした。私は月検査のやり方などもその先輩に教わり、自分でやるときには手順にミスがないか、背後で見てもらっていました。
ブラザー制度の3カ月が過ぎても、わからないことや不安な作業は、職場の人に聞きながら行っています。自分の力で作業を完了できると、成長を実感してうれしいです。
今後の目標
「構内運転士」の免許取得を
現在の目標は、車庫内で車両の入れ換えなど運転を行える「構内運転士」の免許を取得することです。検車区の中には、車両の運転は、検車区員が入れ換えを行っているところもあります。それに、素直に「電車を運転してみたい」という気持ちが湧いてきたことと、運転することで「運転士の視点や気持ちや言っていること」が、より理解できるようになって、仕事の幅が広がると思うためです。
印象に残るエピソード
Episode
女性だから優遇されているとか、甘えているといったわけではないのですが、重い部品などを運ぼうとすると、男性の同僚が「持っていくからいいよ」と、気さくに手伝ってくれることがよくあります。親切な仲間が多い職場で、働きやすいと感じています。
車両の月検査などを行うと、車体の下にもぐったりするため、作業服がどうしても油や泥で汚れます。着替えは女性乗務員と同じロッカー室を使っているため、万一、乗務員の制服に油汚れを付けたら申し訳ないと思い、上司に相談したところ、鍵とカーテンを付けた私専用の更衣室を設けてくれました。また、汚れた作業服を家に持って帰って洗わなくてもいいように、職場には洗濯機と乾燥機が設置されています。私が異動して来る前から、女性専用のものも置かれていました。何でもというわけではありませんが、要望すれば、対応策をきちんと考えてくれる職場はありがたいと思います。
ある日の私
On Duty
-
05:30
起床。着替えや朝食など出勤準備。通勤時間は2時間弱。
-
08:00
出社。作業服に着替えて、その日の仕事内容の確認。
-
09:00
始業。朝のミーティングや朝礼で、前の日からの引継ぎや、その日の仕事内容を全員で確認し共有。
-
09:45
作業開始。列車検査や入出庫検査。
-
12:00
昼食。
-
13:00
午後のミーティング。午前中の作業の進捗や午後の作業の確認。
-
14:00
作業開始。列車検査や出庫検査。留置車両のパンタ下げ。
-
18:30
夕食。
-
19:30
夜のミーティング。
-
20:00
入庫検査。
-
22:45
作業終了。お風呂や就寝の準備。
-
24:00
就寝。
-
04:15
起床。
-
04:30
作業開始。出庫検査。
-
06:30
朝食。
-
07:00
仕事で使用した物の片付け、出番の班への引継ぎ。
-
09:00
終業。
思い出の一枚
Off Time
職場の先輩たちとスイーツ食べ放題に行った時の一枚。仕事終わりや休みの日など予定が合うと遊びに行って、コミュニケーションを図っています。右から2番目が私です。
私の必携品
Essentials
腰道具
必ず持ち歩いています。仕事で使用するドライバーやモンキーレンチが入っています。