人と仕事

土木・建築の仕事:保線の仕事

鉄道を根底から支える、奥深い保線業務

毎日多くのお客さまにご乗車いただいている車両を支える線路は、摩耗が生じたり、バラスト(砕石)の形が崩れ、沈下してゆがんだりします。このようなレールの摩耗やゆがみを放っておくと、揺れや騒音など乗り心地の低下につながるばかりでなく、事故の原因となります。そのため、線路を常に正しく保つ保線の仕事は、鉄道を根底から支える重要な仕事といえます。
保線区は担当が、検査、巡視、工事、設計、CS担当の5つに分かれており、最初に私が経験したのは検査担当でした。巡視担当が日々線路を歩き異常がないかをチェックするのに対し、検査担当は法定点検や会社で定められた検査計画に基づいて各種軌道検査を行っています。不具合がある場合は補修計画を立てて、施工管理までを担当し、簡単な工事の場合は直営作業にて施工することもあります。
軌道の点検では、走りながら線路の不具合箇所をチェックできる総合検測車「TOQi (トークアイ)」も定期的に走らせていますが、基本となるのはあくまでも人の目による目視。目でゆがみを確認したり、計測機器を使用して軌道変位を測定し、ミリ単位の変異もチェックします。多くの人の協力が無くては成り立たない作業が多く、保線区内で役割分担しながら安全第一に、安定・安定輸送の確保の為に作業を行っています。保線区内で一致団結し軌道の点検を行うことで、いろいろな視点での不備を見つけることができます。それらを一括して補修計画を立てることで、より効率的な補修工事が可能になります。
保線の業務は奥が深く、簡単に習得できるものではありません。現在はスキルアップを目指し、技術士、鉄道設計技士、一級土木施工管理技士など、保線に関係する資格を取得すべく、通勤時間を有効活用して勉強しています。様々な知識を身につけ、いかなる問題に対しても冷静に対処できるようになりたいと思います。

工事全体を理解することで、将来のステップアップにつなげる

現在は設計担当となり、工事計画や設計、各協力業者への発注業務を行っています。
施工箇所の優先順位の決定や、現地調査、使用材料の確認、図面の作成から、発注金額の調整、作業人員、工程の確認・調整まで、規模の大きい工事の管理業務を幅広く担当しています。今では私が計画し、発注した工事が少しずつ形になり、乗り心地の向上に貢献していることを実感できるようになりました。
設計担当として予算や人工、工程の管理にかかわることにより、検査担当の時には見えなかった補修や工事の全体像が理解できるようになってきました。また巡視や検査などを行う現場に戻った時には、工事をする場合の必要人数や費用などがおおよそ把握することができ、作業を俯瞰的に見ることができると思います。そして将来は、大規模な工事を統括管理できるような技術者になりたいと考えています。
保線の仕事は線路の点検や夜間の補修工事など、お客さまからは見えない部分の仕事が多く、まさに縁の下の力持ち。電車が通常どおりに走っている光景が、私たちの仕事の成果と自負できるやりがいのある仕事です。
東急線が選ばれる沿線であり続けるために、今ある線路を安全で快適な乗り心地を保つ保線の仕事は、ますます重要になっていくと思います。

コラム/私を変えたあのひと言

「あきらめない限り、夢は生き続ける」

就職活動で将来に少し悩んでいた時、ふとテレビのドキュメンタリー番組で、宇宙飛行士を目指す人たちのストーリーを目にし、その中で語られていた言葉に感銘を受けました。どんなに優秀な人でも挫折や壁にぶつかることはあります。しかし、そこでへこたれてしまうのか、闘志をもう一度奮い立たせるのか。そこからがその人の底力と言えます。失敗しても挑戦し続ける限り、夢は夢として生き続ける。このことを胸に刻んでこれからもがんばっていきたいと思います。

プロフィール

工務部保線課 梶が谷保線区

田部井 一輝

学生時代に軌道関係の授業があり、鉄道業界に興味を持つ。入社動機のひとつに、自由が丘や武蔵小杉など東急線沿線に魅力的な街が多いことを上げる。街歩きが趣味で、休日は東急線沿線を散策したり、日帰り温泉に行ってリフレッシュしている。

キャリアパス

2010年
大井町駅
2010年
工務部計画課
2010年
工務部保線課 梶が谷保線区検査担当
2014年
現職

1日の流れ

1日のスケジュール確認
使用道具の準備(工事計画立案に伴う現地調査の為の準備)
現地調査(実際の施工方法等について検討)
現地調査結果のまとめ

My Item

ノートとメモ

保線業務は基準や手順、管理数値など、覚えることがたくさんあります。覚えきれないことも多いので、必要なことはすべて手帳にメモして、現場に出かける時も持参し、必要な時は読み返しています。また、先輩に聞いたことなど、大切なことは必ずメモをするよう心掛けています。

私の職場

オフ

週末はストレス解消のために外に出るようにしています。写真は東京ゲートブリッジで行われたウォーキングイベントの写真です。

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